F1RCGP レースリポート


第2戦 F1RCGP2009 in Chiba1
RC STADIUM SODEGAURA 2009年2月15日(日)


天気:曇り、気温:15℃、湿度:51%、路面温度:18℃

F1RCGP2009、第2戦目からは場所を関東に移し、千葉県袖ヶ浦市百目木(どうめき)のRC STADIUM SODEGAURAで開催されました。 RC STADIUM SODEGAURAは、2006年よりオープンの比較的新しいサーキットです。サーキットを3面備え、グリップオンロードサーキット、ドリフト オンロードサーキット、そして最後に1/8GPバギーも走れる広大なオフロードサーキットが隣接しています。今回F1RCGPの舞台となるグリップオンロード サーキットは、1周120m、33mのバックストレートを持ち、路面は中粒の若干バンピーなアスファルト。サーキットの広さは1/10スケールF-1には ベストサイズで、中速から高速型のサーキットです。

参加人数は、F-1クラス:22名、F-1グランプリクラス:8チーム14名、合計36名です。特に今大会からは普段エンジンカーをやられている ドライバーも多く集まり、F−1と言うカテゴリーが電動・エンジンカー双方のユーザーから愛されている事が窺え、皆一体となって盛り上 がりを見せました。特に、F-1グランプリクラス内藤自動車に所属する2006年IFMAR1/10GPツーリングカーワールドチャンピオンの福田選手の 走りは多くのギャラリーを魅了しました。

プラクティスDay
前日の春一番の影響で埃の多かった路面は、次第にグリップを取り戻しはじめ、昼にはフルグリップ状態になりました。路面はドライ、第1戦の 雪のウェトから比べると、格段にグリップがよく、コーナースピードも上がっています。
プラクティスの1番時計をマークしているのは、内藤自動車の内藤選手。続いてRUSHの石川選手も好調の様です。タイムは1周13秒中盤から後半。いかに 13秒台で走り続けられるかが勝負の様です。時折吹く風の影響で、14秒台を切れない状態もあり、自然の影響もレースを大きく左右します。
タイヤはフロントにミディアムを履く選手が好タイムを出している模様。しかし、2〜3周コースに馴染むまで時間を要するようで、それまで 不安定な走行を強いられます。逆にハイラバーをチョイスすると、1周目から高いリアグリップを確保できる代わりに、終始アンダーステアで1発の タイムを出しにくいと言うデメリットがあります。
F-1クラスのマブチ540のタイムは14秒中盤から後半が速い人の様です。負荷を掛け過ぎるとモーターから異臭が漂い、モーターを 壊してしまいます。ギヤ比の正しい選択も勝負のカギと言えるでしょう。

大会当日
当日は曇り。ブリーフィングで競技委員長からドライ宣言が行われ、レースがスタートしました。早朝は無風状態、その後時折吹く風で、 コースグリップが変わる感じです。花粉の影響もあるかと思いますが、ラウンドが進むに従ってグリップを増す路面にはならない様です。 いかに早めのラウンドでしっかりタイムを残すかで、その後の運命を大きく左右します。
F-1クラス、F-1グランプリクラス共に、いかにリヤグリップを確保するかが最大の課題。それには、フロントタイヤをミディアムにするか ハイラバーにするかの選択が重要になります。また、コースのライン上は良いのですが、ラインを外した時の挙動がタイヤによって大きく 異なります。ミディアムはスピンする傾向、ハイラバーはよりアンダー傾向です。ピット全体を見渡すと、ハイラバーが圧倒的多数を占めます。

予選1ラウンド目
F-1クラス予選1ラウンド目、トップ4台が非常に僅差で約1秒の間にいます。このラウンドを征したのは、藤谷選手16L4:01.775のタイム。 ベストタイムは14秒379。続いて鶴間選手16L4:02.245。4位まで2秒台。僅かな縁石の乗り過ぎなどによるミスで大きく順位が入れ替わります。
F-1グランプリクラス、予選1ラウンド目を征したのは、RUSH 石川選手18L4:06.755。しかし、2番手同じくRUSH 佐藤選手が18L4:06.797で直ぐ 背後に迫るので予断はできません。チームRUSHは本コースが地元であるため、非常にセッティングも良くまとまり、現在1、2体制。チーム 監督の佐久間氏も2人をしっかりサポートしています。

予選2ラウンド目
2ラウンド目からは先ほどのコンディションから一転、風が徐々に吹き出してきました。太陽は雲の間から時折見え隠れし、一瞬日差しも 見えます。
F-1クラスではこのコンディションの中、17周についに入れてきた選手が3名。松本選手が暫定ポールとなる17L4:07.823、ベストタイムは 14秒325。前ラウンドトップの藤谷選手は17周をマークするも2番手、17L4:10.424と少し開きがあります。3番手には古江選手、17L4:14.236。 トップ3ほぼ等間隔。ベストタイムは上位7台の櫻尾選手までが14秒中盤から後半でのタイムを刻んでいます。
F-1グランプリクラスはチームRUSHの好調は変わらず。今回は佐藤選手が快心の走りで18L4:09.740、同チーム石川選手は僅かに及ばず18L4.10.290 で2番手。総合では1ラウンド目のタイムに及ばず、徐々に路面悪化が囁かれます。路面の変化にはエンジンカー組の内藤自動車 内藤選手が18L 4:12.091、Team番長 由留木選手18L4:12.635がこのラウンド3位、4位と奮起します。また、1ラウンド目のミスを取り戻し、ベストの 走りをしたZEN 橋本選手も5位をキープ。

予選3ラウンド目
最終予選3ラウンド目は、各選手奮えも出るほどの緊張感漂う展開。路面状況は刻々と悪化している為、現時点で11位以降の選手には Aメイン入りをかけて、重くプレッシャーが圧し掛かります。
F-1クラスは松本選手、藤谷選手の素晴らしいバトルが見られ、最終的に2ラウンド目のタイムを2秒以上更新して、松本選手が 17L4:05.577を叩き出し、ポールポジションを獲得。2番手の藤谷選手も自己ベスト更新して17L4:09.111で2番グリッドを確定しました。
また、櫻尾選手、戸倉選手ら5位から10位までのAメイン争いも激化。こちらも僅差のバトルを征し、櫻尾選手が自己ベストを更新して17L4:03.406で 好タイムをマーク。
F-1グランプリクラスは、石川選手(RUSH)を筆頭に、佐藤選手(RUSH)、上林選手(Alex racing)、内藤選手(内藤自動車)、森田選手(Futaba)までが18周を マークしますが、自己ベストに及ばず。由留木選手、三浦選手のTeam 番長は17周止まり。この悪条件下の第3ラウンド、見事自己ベストを更新したのは ただ一人、Alex racingチーム監督を兼ねる加々山選手でした。
F-1グランプリクラスのポールポジションは、1ラウンド目のタイムが有効となったRUSH 石川選手が見事獲得しました。RUSHはフロントロー独占です。 1、2に王手を掛け、決勝に向けて作戦を立てている様です。

■予選順位■
F-1クラス
1位松本 恭一3R17L4:05.577
2位藤谷 悦章3R17L4:09.111
3位古江 正人2R17L4:14.236
4位鶴間 礼智1R16L4:02.245
5位岡本 竜也1R16L4:02.249
6位櫻尾 晋也3R16L4:03.406
7位鈴木 敏夫3R16L4:03.431
8位高安 理寛3R16L4:04.341
9位戸倉 政司3R16L4:04.867
10位一式 勉 2R16L4:06.504
11位森 尚之 1R16L4:10.249
12位高橋 儀次2R16L4:11.688
13位伊藤 成治2R16L4:12.448
14位横山 真和2R15L4:02.274
15位中山 篤史2R15L4:02.518
16位大村 文彦2R15L4:04.235
17位志自岐 元2R15L4:04.493
18位三浦 竜彦3R15L4:10.980
19位小中 征人2R15L4:11.052
20位梅津 薫 1R15L4:11.360
21位横井 圭三2R15L4:14.427
22位稲 滋明 2R14L4:06.385

F-1グランプリクラス
1位石川 衛 (RUS)1R18L4:06.755
2位佐藤 信幸(RUS)1R18L4:06.797
3位内藤 信夫(NAI)1R18L4:10.056
4位森田 栄俊(FUR)1R18L4:11.014
5位上林 博 (ALE)1R18L4:12.384
6位由留木 一也(BAN)2R18L4:12.635
7位橋本 努 (ZEN)2R18L4:13.257
8位福田 圭亮(NAI)2R18L4:15.082
9位大山 誠 (PSF)2R17L4:00.506
10位三浦 正行(BAN)1R17L4:00.587
11位水越 一弥(PIT)2R17L4:02.611
12位八島 定明(ZEN)1R17L4:08.865
13位木村 心哉(FUR)1R17L4:12.394
14位加々山 幸憲(ALE)3R16L4:08.776

決勝に向けて
8分間の周回レースによる決勝レースは、思いのほか長丁場。予選の2倍の時間の為、モーターブローなどに注意しながら指数(ギヤ比) 調整します。F−1クラスのポールポジション、松本選手は親子で事前テストを確実にこなしてきている模様。Mikuni Factoryシャーシを使用して おり、こちらのセッティングの方も非常に良い仕上がり感。盤石の松本選手にいかに後方からの追撃があるかが非常に楽しみです。
F−1グランプリクラスは、2戦目以降のポイントランキング争いにも注目。今回2大会連続出場のFutaba F-1 Racing Teamの木村選手 は調子が悪く、Bメイン落ち。よってコンストラクターズ争いを掛けて同チームの森田選手がいかに援護射撃を行えるかにも注目が 集まります。また、何と言ってもTeam 番長、内藤自動車などの普段エンジンカーを走らせているチームや、今回から初参加の多くのチーム も含め、地元RUSHの好調を阻止できるかどうか、展開が気になる所です。このグランプリクラスは、IFMAR世界チャンピオン、FEMCAチャンピオン、 JMRCA全日本チャンピオンが揃い、観戦するだけでも楽しめます。

F−1クラス決勝Cメイン
F-1クラス決勝Cメインは2台のマッチレース。1位のブービー賞を狙い、そしてF−1グランプリクラスのマーシャルの見守る中、徐々に盛り上がりを 見せます。横井選手が序盤タイヤグリップが上がらない内に、稲選手がトップを奪取、そのままゴールへと運び、見事Cメインを征しました。

F−1クラス決勝Bメイン
F-1クラス決勝Bメイン。ポールシッターのキャメルロータスを駆る森選手と、2番手の高橋選手のバトルがスタート直後から始まります。途中、森選手が 一歩リードしますがパワーダウンのためか引き離せず、後半になり逆転されます。後方からは大村選手が迫り、3番手でゴール。以降、等間隔で小中 選手と続きます。8分間の決勝では各場面でいろいろなドラマが起こります。

F−1グランプリクラス決勝Bメイン
F-1グランプリクラス決勝Bメインはポールショットを決めたPit-in Racing Team 水越選手の速さが光りました。後続をぐんぐん引き離し、レースを終始リード。 そのまま35周をマークしゴール。 後方ではAlex racing 加々山選手、ZEN 八島選手のセカンドドライバー対決が僅差で続きます。Futaba F-1 Racing 木村選手はバッテリーがはみ出し、 数回のピットインを強いられました。

■決勝順位■
F-1クラスCメイン
1位稲 滋明 29L8:10.840
2位横井 圭三28L8:05.015









F-1クラスBメイン
1位高橋 儀次31L8:12.972
2位森 尚之 30L8:05.220
3位大村 文彦30L8:06.873
4位小中 征人30L8:07.733
5位横山 真和30L8:09.459
6位梅津 薫 29L8:07.068
7位伊藤 成治29L8:09.981
8位志自岐 元29L8:16.837
9位中山 篤史28L8:12.348
10位三浦 竜彦25L8:01.197

F-1グランプリクラスBメイン
1位水越 一弥35L8:15.171
2位加々山 幸憲31L8:09.425
3位八島 定明31L8:09.756
4位木村 心哉21L8:03.182







F-1クラスAメイン
F-1クラス決勝Aメイン。スタート直前に小雨がぱらつきましたが事なき得ました。そして、スタート。ポールポジションから松本選手が終始レースをリードをする展開。 追って2番手、藤谷選手も続きますが、不運なコースアウトに見舞われます。古江選手、岡本選手も松本選手をロックオンできる距離には入れず徐々にその差は開く一方。 後方からは10番グリッドスタートの一式選手がベテランらしく冷静なパッシングで4番手に浮上。その頃、松本選手は既に2番手に10秒以上の差をつけトップゴール。 見事F−1クラスを征しました。

F-1グランプリクラスAメイン
F-1グランプリクラス決勝Aメイン。ポールポジションのRUSH 石川選手がまさかの後退。代わってチームメイトのRUSH 佐藤選手がレースをリード。夕方の路面は各選手を オーバーステア方向に導いたようで、佐藤選手のペースが上がらず、5番グリッドからAlex racing 上林選手が迫り、トップに躍り出ます。その後は、上林選手がどんどん 後続を引き離しに掛かります。後方ではTeam 番長の三浦選手を挟み、RUSH 佐藤選手、石川選手が三つ巴。Team 番長の由留木選手も加わるかと思われましたが、徐々に後退。 最終的にはダイレクトドライブのベテランAlex racing 上林選手が優勝を決めました。チーム監督、加々山選手も大喜びでした。

ポディウム表彰・シャンパンファイト
F1RCGP恒例のポディウム表彰です。F-1クラス優勝の松本選手の速さ、F-1グランプリクラス優勝のAlex racing 上林選手の巧さが光った今大会でした。 表彰記念写真を撮り、最後にシャンパンファイトで会場全体を沸かせてくれました。ポディウムに上がられた皆さん、本当におめでとうございます。

■決勝順位■
F-1クラスAメイン
1位松本 恭一33L8:01.978
2位古江 正人33L8:15.014
3位岡本 竜也32L8:10.638
4位一式 勉 32L8:14.284
5位高安 理寛31L8:09.097
6位櫻尾 晋也31L8:10.069
7位戸倉 政司31L8:11.384
8位藤谷 悦章31L8:11.887
9位鈴木 敏夫31L8:12.851
10位鶴間 礼智30L8:06.082

F-1グランプリクラスAメイン
1位上林 博 (ALE)35L8:11.703
2位佐藤 信幸(RUS)34L8:03.706
3位三浦 正行(BAN)34L8:03.981
4位石川 衛 (RUS)34L8:05.490
5位内藤 信夫(NAI)34L8:12.116
6位由留木 一也(BAN)33L8:03.481
7位橋本 勉 (ZEN)33L8:04.434
8位大山 誠 (PSF)32L8:10.715
9位福田 圭亮(NAI)16L3:47.421
10位森田 栄俊(FUR)34L8:13.742(Aメイン車検落ち)

ベストルッキングカー賞
ベストルッキングカー賞には、藤谷選手のマクラーレンホンダに決定しました。セナのヘルメットのバイザーから顔が覗ける 所が非常に素晴らしい点です。ボディーカラーのマルボロのレッドも、鮮やかに発色しており、塗装技術の高さが分かります。

全体表彰・抽選会
最後は全体表彰式です。室内のピットエリアに集まり、表彰カードと一緒に参加賞のデカール、F-1クラストップ10にはマブチ540モーターが 贈られました。軽食パーティー形式のリラックスした雰囲気の中行われた、抽選会では参加選手の多くが沢山の賞品が当たり、大変盛り上がりました。 皆さんの笑顔が絶えない一時となりました。

F1RCGP大会主要機材データ
F1RCGP大会主要機材データになります。マシン、プロポ、アンプ、バッテリー、F-1グランプリクラスモーターのシェアと、参加選手県名です。 次回参加される方、遠征される方等、参考になさってください。 次回F1RCGP2009 Round3は、3月8日(日)千葉大会 KeiTuneRacing Speed-way(市原)です。

カーシェア
プロポシェア
アンプシェア
モーターシェア
バッテリーシェア
参加選手県名

謝辞
今回参加された選手の皆様、サーキットをお貸し頂いたサーキットオーナー、運営をお手伝い頂いたクラブチームの皆様、 他スタッフの皆様、協賛品のご協力を頂いたサポートメーカーの皆様、本当にありがとうございました。