F1RCGP レースリポート


第11戦 F1RCGP2011 in Tottori
Kawahara Circuit 2011年10月8日(日)


天気:晴れ、気温:27℃、湿度:47%、路面温度:29℃

 F1RCGP2011シリーズ第11戦は、鳥取県鳥取市川原町にあるKawahara Circuit(河原サーキット)にて行われました。ここKawahara Circuitは千代川の河川敷にあり、鳥取市が運営するサーキットです。広大な面積の敷地に、ゆとりのあるコース幅でレイアウトされた サーキットは電動カー、エンジンカー問わず、あらゆるジャンルのマシンが走行可能です。週末や平日の夕方は多くの地元のドライバー で賑わいを見せる様です。サーキットは1993年に完成、その4年後の1997年に洪水被害によりリニューアルされ、現在に至ります。サー キットで行われる実質的な運営は、「クラブかわはら」によって行われ、代表を務める荻原氏をはじめ、多くのラジコンファンによって 守られ、誰でも楽しめるレースで初心者にも優しい雰囲気のコミュニティーが成り立っている事が素晴らしいです。
 今回大会が行われるサーキットレイアウトは、鉄枠の仕切りで自由にコースレイアウトを変えられるため、F1RCGPオリジナルレイアウ トになります。全長180m、25mのバックストレートと、20mのショートホームストレートを持つ変則的なレイアウトです。腕に自信のある ドライバーでも難しいとされるのが、バックストレートエンドからインフィールドに向かうヘアピンの右コーナーでしょう。コース幅も 狭くなり、ラインの自由度が無くなるので、慎重且つスピードを落とさないドライビングが試されます。路面の方は中粒アスファルトで 比較的フラット、グリップも良好です。また、各コーナーは若干バンクの様な起伏があり、マシンが高速でコーナーリングしやすくなっ ています。F1RCGPシリーズでもこれまで3本の指に入るほどの高速レイアウトとなります。
 当日の参加人数は、F-1クラス:25名、F-1グランプリクラス:11チーム14名、合計39名です。今回は残念ながらF-1スケールクラスの エントリーが無く、F1RCGP公認クラスは2クラスのみの開催です。F-1クラスは子供や家族連れも多く、非常にアットホームな雰囲気。 F-1グランプリクラスは既にワールドチャンピオンにRCmagazine TeamBomber加藤選手が決まっており、やや消化レースムードと思いきや、 白熱のバトルが展開されるなど、グランプリクラスらしい素晴らしいレースになりました。秋晴れの空の下、皆思う存分F-1を満喫した 1日になりました。

プラクティスDay
 練習走行日は皆でコース設営から始まります。コースは幾つもパターンから任意に選択できるので、今回はF1RCGPに合わせた新レ イアウトです。コースの仕切りの鉄枠を移動し、コースサイドにはスポンサーバナーを貼り、徐々に雰囲気が出てきます。設営も一 段落した所で、地元勢や遠征組、各選手入り混じり、早速マシンがコースインしています。最初は埃が多く、グリップしなかった路 面も直ぐにグリップが回復し続々とペースアップして行っている様です。コントロールラインに計測テストの為のラップカウンター が取り付けられると、各選手、自分のタイムを毎回の様にチェック。セッティングのポイントを1つ1つ変更し、走行フィールと実 際のタイムを丹念に確認しています。鳥取の地元の方に一様に言える事は、ラジコンに取り組む姿勢が非常に真面目で、作業も的確 で丁寧です。将来有望な若いドライバーも多く居るので、F-1チャンピオンドライバーが近い将来必ず育つ事でしょう。そんな中、ラ ップチャートを見て行くと、グランプリドライバー同士のタイムの応酬が始まっている様です。先ずは新作エキゾテックのHiroFactory コンバージョンの試作を駆る中谷選手が21秒中盤のタイムをいきなり叩き出し、好調さをアピールしています。このHiroFactory Racing Familyは、今年4月に発足したチームであるにも関わらず、最近ではめきめきと頭角を現し実力を付けてきているチームの1つです。 マシンの好調さを窺わせるもう1つの要素には、チームメイトの森嶋選手も抜きに出たタイムをマークし、2人揃って素晴らしい走りを 見せています。マシンの特筆する点としては、カーボンパーツを一新し、剛性を全体的にUPさせた事により、ブレーキング時のマシン挙 動が掴みやすく、操作フィールが大幅に改善された事でしょう。エンジンカーからラジコンを始めた中谷選手の好みにマッチし、且つ万 人向けな特性と言えるでしょう。それに対抗するのは、Team Tech F-1の石谷選手。地元鳥取出身のホームサーキットだけに、このグラ ンプリで一矢報いたい所。タイムの方は同じく21秒中盤で刻んでいます。プラクティスDay終盤にもなると、走行台数もかなり増え、 また、ドライバーのラインが良くなってきた為か、ALEX RACING Winners横井選手が21秒153のスーパーラップを叩き出すと、それに呼応 するかの様にPAPER MOON黒田選手が21秒144のスーパーラップで返します。結局この日の1番時計は黒田選手が奪いコースは闇の中に包ま れ始めます。屋外サーキットで照明もない久しぶりの環境に、昔を懐かしむと共に、明日のレースの速やかな進行を祈るばかりです。 今回グランプリクラスにニューエントリーのレネシス、クラブ河原、HASEKYOの3チームもグランプリレギュラードライバーに囲まれなが らも健闘した走りを見せています。特にクラブ河原でタミヤのチャンピオン経験者の荻原選手はパワーソースにハンデキャップを負いなが らも卓越した操縦テクニックでトップタイムに近い所で走行を重ねています。明日のレースではどこまで仕上げてくるのか、非常に期待し たい所です。
 F-1クラスでは、2009年のTAMIYA掛川グランプリを彷彿とさせる程、高速セットに向いている様です。各選手のマシンは空力パーツを工 夫して盛り込み、いかに抵抗を押えて要所要所でダウンフォースを稼ぐかテストしている様でした。F-1クラスでは1周が24秒にもなる ロングコース。モーターを酷使してパワー系に依存すれば、何周かは23秒台に入れられますが、後半のパワーダウンが懸念されます。その 辺りの匙加減もレースをマネージメントする上で特に重要なファクターの1つです。明日の天気も良好との予想。ハイスピードコースで皆 思う存分実力を出し切り、国内最終レースの鳥取大会、良いレースを期待したいものです。

大会当日
 大会当日は朝靄の中、川面に浮かぶ秋の草花が幻想的な風景を生み出している、そんな自然な豊かなコースの周りには続々とエントラント が集まり出します。先ずはテントの設営と、ピットテーブル、椅子の準備から始まります。バッテリー充電用の小型発電機は各グループで持 っていて、土手の上に置いて騒音から遠ざけて使っている様子。とは言っても、発電機の台数が増えれば、祭りの屋台村の様な騒音になり、 大会が始まったという実感が出てきます。各車コースインし、最後のセットアップやテストに忙しい中、昨晩パワー系を見直したクラブ河原の 荻野選手、永井選手も好調になってきている様す。やはり百戦錬磨のタミヤ使いは、素早い対応力があり、F1RCGPにも直ぐに馴染める素質を持 っている様子。HiroFactory Racing Family中谷選手、森嶋選手も昨日の後半のラップタイム伸び悩みは嘘のように朝から好調な走り。特に昨晩 に掛けてアンプの設定を見直し、予選でライバルに差をつける作戦の様です。確かにコーナー中の加速力が数パーセント上がっている印象を受け ます。ALEX RACING及び、ALEX RACING Winnersの日比野選手、横井選手も鋭い加速力でコーナーを駆け抜けています。特に今回の広い高速のレイ アウトで重要になってくるのが、タイムの安定性。如何に速いラップで揃えられるかが問題なのですが、横井選手は終始安定していて、ライバル に一歩リードしている感があります。しかしながら、上位陣はタイム差が拮抗していて1ミスで大きく順位が入れ替わる程なので、緊張感溢れる 今後の予選ラウンドを注目して見て行きたい所です。また、今回はF-1スケールクラスはエントリー人数無しの為、開催せず。 同クラスではジョーダン日比野選手が既にワールドチャンイオンを確定してはいるものの、2位争い以下は大きな逆転をはらんだ展開が残さ れていましたが、これもレースなので仕方ありません。F-1クラスは更に多くの地元ラジコンファンが集まり、ロスマンズ吉牟田選手をはじめ、 グリーン・ホワイト・ブラックカラー国本選手なども好調な走りをアピールしています。
 また、今回は現在ラジコンを小休止していると言う、長谷川氏が実況アナウンスに加わって頂く事になりました。メイン計測&放送委員長の山 本氏のアナウンスの補佐的なポジションで、実況や解説を交えながら小気味よく掛け合いが続くので、聞いている方達も非常に気持ち良く放送に 耳を傾けられます。F1RCGPではここまでの体制で完璧にレースを放送した事がないので、非常に印象的で、通り掛かりのギャラリーにもF-1ラジ コンの楽しさを思う存分アピールできたものと思われます。そんな中、受付、開会式と順調な流れで進行して行きます。大会会長の挨拶、荻野競 技委員長のブリーフィング、そして最後にドライ宣言をした後、いよいよF1RCGP Round11 inn鳥取 Kawahara Circuit大会、予選ラウンドが幕を開 けるのと同時に、皆さんの素晴らしいレースバトルを期待します!

予選1ラウンド目
 F-1クラス1ラウンド目。このラウンドでは、1ヒート目に出走のブルー・ホワイトのFETカラー黒田選手がいきなり素晴らしい 走りで他車をリード。10L4'03.103、ベスト23秒770で暫定ポールポジションタイムを記録。2番手は2ヒート目出走のロスマンズ・ ウィリアムズカラー吉牟田広樹選手。トップのタイムは僅かに及ばなかったものの、非常にスムーズなライン取りで、10L4'03.470、 ベスト23秒944を記録します。この2選手のみがベストラップ23秒台をマーク。3番手につけるのは、レッドとホワイトのツート ンに塗られたトヨタカラー野津選手。10L4'04.657、ベスト24秒156です。トップ10は、ティレル野瀬選手まで、10周の4分8秒 を切らないとAメイン進出は難しそうです。早くも非常にハイレベルな展開を見せています。
 F-1グランプリクラス予選1ラウンド目。この頃には路面グリップも落ち着き、思う存分パイスピードバトルが繰り広げられています。 先ずはこのクラスも1ヒート目でPAPER MOON黒田選手が序盤から飛び出し、非常にアグレッシブなコーナーリングでぐんぐん後続を 引き離し、トップゴール。12L4'18.168、ベスト21秒332で、暫定ポールポジションタイムをマーク。2ヒート目はALEX RACING日比野 選手が持ち前の粘り強い走りでトップゴールするも、11L4'01.610、ベスト21秒678止まりで総合5番手。そして、最終ヒートに登場し たのが、現在ランキング上位を走るALEX RACING Winners横井選手と、地元のトップドライバー、クラブかわはらから参戦の荻原選手 との対決。結果は両者12周に入れるも、ALEX RACING Winners横井選手がベテランの走りで競り勝ち、12L4'19.827、ベスト21秒268 で総合でも2番手のタイムをマーク。クラブかわはら荻原選手はグランプリ初参戦ながら、12L4'21.510、ベスト21秒471で総合3番手。 イエローベースの非常に綺麗なカラーリングのクラブかわはら、チームメイトの永井選手と揃ってのAメインを期待しましょう。

予選2ラウンド目
 F-1クラス予選2ラウンド目。1ヒート目では前ラウンド好走を見せたブルー・ホワイトの黒田選手がレース中盤でタイムロス。 代わってトヨタカラー野津選手が前に出て、約1秒差で後方から追い上げるグリーン・ホワイト・ブラックの国本選手を押さえきり、 トップフィニッシュ。野津選手は総合でも2番手に浮上。続く2ヒート目では、ロスマンズ吉牟田広樹選手が終始レースをリードし、 フェラーリ西垣選手を約3秒差で押さえ、10L4'00.924、ベスト23秒591をマーク。このタイムが暫定ポールポジションタイムとなり ます。3ヒート目では、レイトンハウス佐藤選手が安定した走りでトップゴール。10L4'03.069、ベスト23秒939。この各ヒートトッ プゴールした選手で総合トップ3を分け合うかたち。4番手には1ラウンドトップの黒田選手がつけ、続く3ラウンドを待ちます。 ちなみに現在トップ10は、ブルーのマシン森田選手。10L4'07.385、ベスト24秒254と言った様子。
 F-1グランプリクラス予選2ラウンド目。1ヒート目では、またもPAPER MOON黒田選手がほぼ独走。自身のタイムを1秒428更新し、 12L4'16.740、ベストは何と21秒034をマーク。ライトブルー・ホワイトに塗り分けられた黒田選手のマシンは、ボンバーコンバー ジョン。立ち上がりのマシン安定性は抜群で、セットアップも非常に決まっている模様。3ヒート目に登場のHiroFactory Racing Family中谷選手はエキゾテックのニューマシンで素晴らしい戦闘力を見せ、何とトップゴール。総合でもこのラウンド2番手のタイム となる、12L4'18.035、ベスト21秒223をマーク。この素晴らしく走るコンバージョンマシンは、HRF10Xと名前が付けられ、近々販売 されるとの事。リリースが非常に楽しみです。同ヒートでは、ALEX RACING Winners横井選手が僅差で2番手。12L4'18.045、ベスト 21秒166で総合3番手。そして総合4番手は荻原選手、12L4'19.630。ここまでの4台が12周をマークし、トップ10はクラブかわはら 永井選手の11L4'06.523、ベスト21秒816です。永井選手は2ラウンド目タイムを落としていますので、最終ラウンドで好タイムを出し、 Aメインに確実に進出出来るよう期待しましょう。

予選3ラウンド目
 いよいよ最後の予選ラウンド。路面グリップも最高潮に達しているようです。F-1クラスは2ラウンド目の好調をそのままに、 ロスマンズカラーの吉牟田広樹選手が大台の11周に突入し、11L4'23.289、ベスト23秒591をマークし、ポールポジションを決定 しました。2番手はグリーン・ホワイト・ブラックの若きドライバー国本選手。トップとの差は僅か0.187秒。ベストは国本選手の 出した23秒444が最速で、若手らしいアグレッシブな走りで場内を沸かせています。総合3番手はブルー・ホワイト黒田選手が浮上。 先ほどまでのラウンドで暫定2位だったトヨタ野津選手は、自己ベスト更新ならず、何と6番手まで順位を落とす荒々しい展開です。 その中でポールの吉牟田選手は前半と後半のペース配分もきっちり取れて、隙の無い素晴らしい走りを見せていると言えるでしょう。
 F-1クランプリクラス予選3ラウンド目。1ヒート目出走のPAPER MOON黒田選手がまたも本領発揮の走り!上位勢ではただ一人抜き に出た走りで、12L4'14.708、ベストは唯一の20秒台、20秒986をマーク!もう誰も彼を止められないと言った感じで、ポールポジショ ンを確定させます。2番番手以降はの上位勢はプレッシャーからかタイムが伸び悩み、2番手中谷選手、3番手横井選手、4番手荻原 選手と言った順位はそのまま。最終ラウンドで7番手に浮上したのは、2番手の中谷選手とチームメイトの森嶋選手。この所Aメイン 常連選手になる走りを見せているので決勝での好走にも期待しましょう。8番手はTeamいけと〜ん?の芳之内選手。練習データ量が 豊富なので、決勝では油断できない選手の一人です。9番手はTMサーキットBの島袋選手で、初Aメイン!そして10番手に滑り込んだ のは荻原選手のチームメイト、クラブかわはら永井選手です!

■予選順位■
F-1クラス
1位吉牟田 広樹 3R11L4'23.289
2位国本 伸汰郎 3R11L4'23.476
3位黒田 明   3R10L4'00.358
4位佐藤 正木  3R10L4'01.783
5位西垣 隆治  3R10L4'02.604
6位野津 透   2R10L4'02.809
7位坂本 豊   2R10L4'05.521
8位草刈 直仁  2R10L4'06.106
9位森田 覚   3R10L4'06.484
10位中村 清太郎 2R10L4'06.794
11位竹内 祐介  2R10L4'07.559
12位平岡 和博  1R10L4'07.882
13位野瀬 裕之  3R10L4'08.606
14位林 大介   3R10L4'09.583
15位市場 直樹  3R10L4'09.731
16位前田 友和  3R10L4'10.029
17位内田 信之  3R10L4'10.536
18位山岡 真   1R10L4'11.676
19位池上 達哉  3R10L4'12.443
20位福谷 政幸  3R10L4'13.098
21位市場 光晟  2R10L4'14.365
22位今田 祐介  3R10L4'16.744
23位吉牟田 直樹 1R10L4'20.407
24位角 徹    1R10L4'25.434
25位石原 泰雄  3R 8L4'22.233

F-1グランプリクラス
1位黒田 尚希 (PAM)3R12L4'14.708
2位中谷 洋信 (HFR)2R12L4'18.035
3位横井 章弘 (ALW)2R12L4'18.045
4位荻原 慧  (CKA)2R12L4'19.630
5位日比野 達也(ALE)2R11L4'00.764
6位蟻塚 伸也 (TTF)2R11L4'01.663
7位森嶋 繁樹 (HFR)3R11L4'03.350
8位芳之内 剛 (IKE)2R11L4'05.047
9位島袋 邦夫 (TMB)2R11L4'05.572
10位永井 和幸 (CKA)1R11L4'06.523
11位野尻 行信 (TMC)1R11L4'06.828
12位石谷 康浩 (TTF)3R11L4'06.918
13位春山 孝一 (REN)1R11L4'20.693
14位長谷川 進治(HAS)2R19L4'08.005

決勝に向けて
 ここまでの予選を終え分かった事は、はやりハイスピードコースとなるKawahara Circuitは空力が大事で、フロント グリップを支えるフロントウィングの調整がポイントの様です。また、リヤタイヤが減りやすいと言う事で、走行中に 僅かにではありますがギヤ比が変化します。決勝では特にモーターのパワーマネージメントが重要なファクターになる だけに、この部分に留意したかたちで各選手セッティング変更を行っている様です。グランプリドライバー達の中では やはり今回もジャイロ搭載マシンが多く居ました。ジャイロが無いとだめと言う訳ではないのでしょうが、広いサーキ ットの場合、目測でカウンターを当てるより、ジャイロに当てて貰った方が圧倒的に有利に働く様です。視力が良けれ ば別ですが、それにはある程度の限界があるのでしょう。しかしながら、リアのグリップをしっかり稼ぎ、マシンセッ トが優れているPAPER MOON黒田選手は死角がない様にも見えます。決勝ラウンドで黒田選手に迫るチーム・ドライバーは いったい誰になるのでしょう?それとも黒田選手がぶっちぎりで逃げ切り、今季3勝目を飾るのか、注目です! 運営サイドも決勝に向け、下打ち合わせを行い、レースジャッジは厳格に取るとの意向が各選手に告げられます。F1RCGP は格式高く、フェアで良いレースを心掛けて、ギャラリーにも喜ばれるレースをしましょう!


F-1クラス決勝Cメイン
 F-1クラス決勝Cメイン。入念な前説の後、スタートは後続の方で混乱があり、ザウバーの石原選手が早くもウィング系のトラブルで 戦線離脱。トップに立ったのは1番グリッドスタートのブルー・ホワイトに塗り分けられたBMWカラー市場選手。2番手はマル ボロ・マクラーレンカラーの吉牟田選手が続きます。トップ2台は後続に若干差を開けますが、トップのBMW市場選手は徐々に2番手 以降の差も広げに掛かります。ベストラップの方も23秒705と、このラウンド唯一の23秒台。中盤になると、トップ市場選手は8秒程のリー ドを築きます。ここで3番手に浮上したのは、シルバーのカラーの今田選手。後半になってもアクセルを緩めないトップの市場選手、2位に 1周差を付けて独走中。ここで面白くなってきたのは2位争いで、マルボロカラーの吉牟田選手と、シルバーの今田選手。その差1秒を切って います。そしていよいよ終盤戦。インフィールドセクションを終え、右奥から高速コーナーへの右カーブの所で何と2位争いを繰り広げている 2台が接触!今田選手が吉牟田選手の横からヒットするかたちとなります。ポジション的には今田選手が前に出る格好で、若干その場でウェイ ティングしましたが、吉牟田選手を前に行かす事無くレーシングスピード復帰。そして8分のコールで、トップは終始レースを大きくリードした BMW市場選手。2番手ゴールはシルバーカラーの今田選手でしたが、先ほどの接触のペナルティーで10秒加算のジャッジがあり、2番手は マルボロカラー吉牟田選手が繰り上がり。3番手に今田選手と言うかたちになりました。

F-1クラス決勝Bメイン
 F-1クラス決勝Bメイン。スタートはフェラーリのフロントロー2台の竹内選手、平岡選手がレースをリードします。 後続の方ではヒットあり、クラッシュありの混戦が続いており、若干トップ集団のリードを許すかたちに。フェラーリ竹内選手は同じくフェラーリの 平岡選手との間隔を4〜5秒程に保ち、レースを依然リード。後続では10番グリッドから、ザウバーカラーの福谷選手が5位まで浮上し、前を走る ブルー・イエローのティレルカラー野瀬選手を追い上げ、4位争いも接戦。後半になっても、フェラーリ竹内選手はリードを何とか保ち、トップを走行。 走行ラインは非常に滑らか且つ丁寧。情報によると竹内選手はお腹の調子が悪いらしく、体調を我慢しながらも素晴らしいライン取りで走行を重ね、遂 に8分間を終えトップでフィニッシュ!2位は平岡選手で、3位はウィリアムズの山岡選手が入賞。この上位3選手のみ19周に突入した、非常にレベ ルの高いBメイン決勝レースでした。

F-1クラス決勝Bメイン
 F-1グランプリクラス決勝Bメイン。スタートは各車非常に綺麗なスタート。トップはTMサーキット野尻選手。ボディーカラーはレッド でフェラーリをモチーフにしたカラーです。2番手争いは僅差の接戦で、Team Tech F-1石谷選手が若干弾かれる格好で、レネシス 春山選手が上がってきます。F-1クラスとは違い、グランプリクラスのスピードでは1クラッシュがかなり致命的なミスへと繋がります。 トップは依然としてTMサーキット野尻選手。ここで2番手にはインフィールドで上手く春山選手をかわしたTeam Tech F-1石谷選手が 上がってきます。トップとの差は4秒程。ここから徐々に地元の利を生かして追い上げたい所ですが、細かいミスが続き、逆に離される 格好になります。トップ走行の野尻選手は非常にアグレッシブな走り。コーナー毎に上手くカウンターをあてながら走る様は、シューマッハ を彷彿とさせる程です。この走りによって2番手との差は10秒以上に広がります。そしてレースは終盤戦。残り2分。ここでレネシス春山 選手が燃料切れでストップ。トップ争いの方では特に波乱も無く、TMサーキット野尻選手がそのまま大きなミスのない快心の走りでBメイン 優勝を決めました!

■決勝順位■
F-1クラスCメイン
1位市場 光晟  19L8'10.605
2位吉牟田 直樹 18L8'10.672
3位今田 祐介  18L8'11.612
4位角 徹    18L8'27.338
5位石原 泰雄  R.T.






F-1クラスBメイン
1位竹内 祐介  19L8'14.557
2位平岡 和博  19L8'17.193
3位山岡 真   19L8'21.680
4位野瀬 裕之  18L8'01.575
5位福谷 政幸  18L8'03.191
6位内田 信之  18L8'09.462
7位市場 直樹  18L8'11.751
8位池上 達哉  18L8'16.074
9位前田 友和  18L8'24.016
10位林 大介    9L4'17.002

F-1グランプリクラスBメイン
1位野尻 行信 (TMC)21L8'06.757
2位石谷 康浩 (TTF)20L8'10.866
3位長谷川 進治(HAS)20L8'24.029
4位春山 孝一 (REN)13L5'39.989







F-1クラス決勝Aメイン
 F-1クラス決勝Aメイン。スタートは各車Aメインらしく非常に綺麗なスタート。トップはポールポジションからロスマンズカラーの吉牟田 選手、2番手はその後ろ直ぐ追走する、地元の若手ドライバー国本選手。国本選手はグリーン・ホワイト・ブラックの3色が鮮やかなボディー カラー。3番手は若干差が空いて、フェラーリ西垣選手、レイトンハウス佐藤選手の争い。トップ争いは早くも白熱!2番手国本選手が吉牟田 選手の背後からストレートエンドに掛けて猛チャージ!しかし、両車クラッシュし、国本選手が大きくフェンスを越えて弾き飛ばされます。 ここで国本選手のマシンにアクシデントが起き、早くも地元勢の1台がリタイヤと言う波乱の展開。トップは依然ロスマンズカラー吉牟田選手。 2番手に上がって来たのは、フェラーリ西垣選手!3番手はレイトンハウス佐藤選手、4番手にトヨタカラー野津選手が浮上。まだまだ各車僅差 で1ミスで大きく順位が入れ替わる状態です。レース中盤になると、トップの吉牟田選手が数秒のマージンを築き、後方では2位争いが白熱。 一方、更に後方からは、ブルー・ホワイトのFETカラー黒田選手がインフィールドでトヨタ野津選手交わし、4番手に浮上。注目は2、3、4位 を僅差で走る2番手争い。すると、レイトンハウス佐藤選手が3台が縺れた所で反対側のコースまでコースアウトで、戦線離脱。そして2位争いは フェラーリ西垣選手、FET黒田選手のマッチレースに。すると、西垣選手がプレッシャーからか、右セクションのインフィールドの飛び込みで 大きくミス。2番手に黒田選手が浮上。後半になり、黒田選手の勢いはそのまま続いて、3秒程あった差は見る見る縮まってきます。そしてラスト 1周のバトル。その差はコンマ8秒差。吉牟田選手はパワー系が若干ダウン気味ですが、ラインを究極まで詰めて黒田選手をブロック。そして 最後はコンマ3秒差で吉牟田選手が逃げ切り、悲願のF−1クラス優勝を決めました!2番手は最後の追い上げが素晴らしかった黒田選手、3番手は フェラーリ西垣選手が入賞です。本当にトップ争いのバトルは素晴らしかった!

F-1グランプリクラス決勝Aメイン
 F-1グランプリクラス決勝Aメイン。スタート前に風も若干ではありますが強く吹き始める中、グリップダウンによるスタート直後の混乱が 懸念される中でのスタート。スタート直後のストレートエンドでは、2番グリッドスタートのHiroFactory Racing Family中谷選手がまさかの スピン!後続に呑まれるかたちで波乱の幕開け。トップはポールポジションからスタートのPAPER MOON黒田選手。2番手は代わってALEX RACING Winners 横井選手。3番手は地元クラブかわはら荻原選手が浮上。ここまで非常にスピーディーな展開。ここで4番手にはALEX RACING日比野選手も浮上。 注目は上位3台のトップ争い。トップは変わらずPAPER MOON黒田選手、その後ろ、横井選手、荻原選手までコンマ8秒ずつの等間隔で続きます。 その間、4番手にはHiroFactory Racing Family森嶋選手がジャンプアップ!中谷選手の分までかなりアグレッシブに攻め、インフィールドも素晴らしい 勢いで駆け抜けて行きます。そしてレースも中盤になると、何とトップを走行中のPAPER MOON黒田選手のマシンから異音が。駆動系のトラブルで見る見る ペースが落ち、ストレートでALEX RACING Winners横井選手がそれをパス。ここで横井選手が満を持してトップに立ちます。黒田選手の後退を受けて、2番 手は荻原選手もジャンプアップ。そしていよいよレースは終盤。守るALEX RACING Winners横井選手、追うクラブかわはら荻原選手。周回遅れの後続車を 上手く交わしながら、非常に僅差のバトルを展開しましたが、ラストラップまで気を抜かなかった横井選手がトップを守り切り、大激戦のF-1グランプリクラス Aメインを征しました。最後はコンマ4秒差で2位になった荻原選手も最後の最後まで諦めない走行がギャラリーの感動を呼び、レース後はあたたかい拍手で 迎えられていました。

ポディウム表彰・シャンパンファイト
 Aメインのレースが終わると、各クラストップ3を集めてのポディウム表彰が行われました。今回は地元鳥取の皆さん、そして遠征組による ハイレベルなバトルに非常に感銘を受けると共に、特に各クラスの優勝者、優勝争いをしたメンバーの走りは圧倒されました。F-1クラスでは 吉牟田選手と黒田選手との好バトル。そして、グランプリクラスでは途中から逆転でトップになったALEX RACING Winners横井選手とそれを最 後まで諦めず追撃したクラブかわはらの荻原選手の走りが見事でした。ポディウムに立った彼らを表彰すると共に、みんなの走りを称え、トッ プ2には盾が贈られました。その後、シャンパンファイトでは、各クラス優勝の吉牟田選手、横井選手を中心に、皆で盛り上がりを見せ、ギャ ラリーからは最後に惜しみない拍手が贈られました。本当に良いレースを見せてくれ、ありがとうございました。

■決勝順位(Aメイン)■
F-1クラス
1位吉牟田 広樹 19L8'00.834
2位黒田 明   19L8'01.151
3位西垣 隆治  19L8'08.524
4位佐藤 正木  19L8'10.577
5位森田 覚   19L8'15.422
6位坂本 豊   19L8'16.839
7位中村 清太郎 19L8'17.618
8位野津 透   19L8'18.117
9位草刈 直仁  19L8'23.645
10位国本 伸汰郎  0L0'19.992

F-1グランプリクラス
1位横井 章弘 (ALW)22L8'13.404
2位荻原 慧  (CKA)22L8'13.841
3位森嶋 繁樹 (HFR)21L8'02.965
4位日比野 達也(ALE)21L8'03.214
5位島袋 邦夫 (TMB)21L8'09.489
6位中谷 洋信 (HFR)21L8'15.503
7位永井 和幸 (CKA)21L8'15.924
8位蟻塚 伸也 (TTF)21L8'18.189
9位芳之内 剛 (IKE)21L8'20.768
10位黒田 尚希 (PAM)21L8'30.283

ベストルッキングカー賞(Formula賞)
 ベストルッキングカー賞には、市場光晟選手のブラバムBMWが輝きました。ボディー形状はBT58、カラーリングは BT52仕様、ドライバーはカルロス・ロイテマンです。細部に渡り非常に美しく、見事に仕上がっており、製作者の熱意 が伝わってきます。市場選手にはFormula特性ストラップと、写真盾が贈呈されました。 (ベストルッキングカー賞は、実際に走る車のボディーが対象です。飾りだけで持ち込んだだけのものは、対象外になります。)

全体表彰・抽選会
 全体表彰並びに、大抽選会が大会の最後に行われました。今大会はクラブかわはらのご協力により、非常にスムーズな運営が なされ、時間内で滞りなく進行して行きました。本当に素晴らしい進行ありがとうございました。全体表彰では、各選手に表彰 カードが配られ、その後大抽選会へと進みます。各選手、協賛メーカから贈られた景品を手に、一喜一憂。毎回多くの協賛品を 提供して下さるスポンサー各位に、あらためてお礼申し上げます。
 そして閉会式では、荻原競技委員長と北澤大会会長から講評とお礼の言葉、そして次戦の案内が述べられ、F1RCGP2011 Round11 鳥取大会の幕が閉じられました。参加した皆様本当にありがとうございました。


F1RCGP大会主要機材データ
 F1RCGP2011 Round11鳥取大会の大会主要機材データになります。出場された方も、未だの方も、次回の参加検討の際の参考にしてみては如何でしょうか。 次回はF1RCGP Round12 in 香港です。2012年シリーズ最終戦です。香港のみならず、多くの海外の選手とF-1バトルが展開され、大いに盛上る事でしょう。 開催日は11月5-6日(土・日)、場所はDiscovery Park(愉景新城)、Sky Dome Atrium(第一層天幕大堂)内カーペット路面の特設サーキットです。皆様のお 越しを心よりお待ちしております。

カーシェア
プロポシェア
アンプシェア
モーターシェア
バッテリーシェア
参加選手県名
年齢層
男女比

謝辞
 本大会にご参加頂いた選手の皆様、大会運営をして頂いた各実行委員の皆様及び、クラブかわはら荻原様、山本様、長谷川様、 そして多くの協賛品を頂いたスポンサー各社様、最後に、コースをお貸し頂いた鳥取市関係者の皆様に、感謝の意を表します。 本当にありがとうございました。お陰さまで無事に大会を終了する事が出来ました。残るシーズンは最終戦1戦のみとなりました。 最終戦は香港に国を移し、会場はショッピングモール広場の特設会場です。シーズンを締めくくる次戦も、皆さんに楽しんで貰え るようなレース作りをして行く所存ですので、今後とも応援宜しくお願い致します。また、今回皆様の善意で集められた義援金額 は\5,804になりました。これは日本赤十字社を通して被災者の皆様に送られます。